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傷害事故の慰謝料

慰謝料は精神的苦痛に対する賠償という性質ですが、どのくらいの傷害ならどのくらいの慰謝料に相当するか、算出の基準を設けることが難しい側面を持っています。なぜなら、精神的苦痛は個人によって違いますし、死亡や後遺障害等級のように、不変の事実を基に算出することもできないからです。

しかし、慰謝料がないのは考えられませんし、著しく過不足が生じるとトラブルにもなりますから、何らかの基準が必要となります。そこで、治療期間の長さを基準として慰謝料を決める方法が用いられます。怪我が重いと、それだけ長期間の治療になり、それだけ精神的苦痛も大きいとする考えです。

なお、後遺障害等級が認定されると、慰謝料が支払われますが、後遺障害に対する慰謝料として別に扱われます。傷害事故としての慰謝料は、完治または症状固定時までの治療期間が対象です。

■自賠責保険の慰謝料

自賠責保険では、慰謝料を1日あたり4,200円としていますが、何を日数とするかは、事例によって異なり、傷害の態様や、実治療日数を基に、治療期間の範囲内で決められます。

治療期間には、入院期間と通院日数が含まれ、通院が毎日あると入院期間と通院日数の和は治療期間と等しくなります。実際には、毎日通院することは少ないため、入院期間と通院日数の和の2倍程度と、実際の治療期間との少ない方で判断されます。

例えば、40日の治療期間で、15日間が入院、残りの25日で通院が10日間あるとすると、(入院15日+通院10日)×2=50日です。しかし、実際の治療期間は40日なので、40日の治療期間は全て認められ、4,200円×40日=168,000円が慰謝料です。

■任意保険の慰謝料

任意保険は、保険会社が独自に決めた算出基準で、逆に言うと共通した基準がありません。しかし、一般的には自賠責保険よりも少し高い程度の慰謝料を提示しているとされており、営利目的の任意保険であるだけに、その金額には期待できないのが実際です。

■裁判基準の慰謝料

休業損害における裁判基準には、日弁連交通事故相談センターが発行している青本と赤い本と呼ばれる、2つの書籍が基準になっています。青本は、日弁連交通事故相談センターとして発行している「交通事故損害額算定基準」、赤い本は日弁連交通事故相談センター東京支部が発行している「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」で、表紙の色の違いで青本・赤い本という通称です。

ここでは赤い本による算定表を掲載しますが、表の見方に特徴があるので、事例を交えて紹介します。基準となる慰謝料であって、実際の金額は事例に応じて前後することには注意してください。

・基本の算出表

入院月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
通院月 53 101 145 184 217 244 266 284 297 306 314 321 328 334 340
1 28 77 122 162 199 228 252 274 291 303 311 318 325 332 336 342
2 52 98 139 177 210 236 260 281 297 308 315 322 329 334 338 344
3 73 115 154 188 218 244 267 287 302 312 319 326 331 336 340 346
4 90 130 165 196 226 251 273 292 306 316 323 328 333 338 342 348
5 105 141 173 204 233 257 278 296 310 320 325 330 335 340 344 350
6 116 149 181 211 239 262 282 300 314 322 327 332 337 342 346
7 124 157 188 217 244 266 286 304 316 324 329 334 339 344
8 132 164 194 222 248 270 290 306 318 326 331 336 341
9 139 170 199 226 252 274 292 308 320 328 333 338
10 145 175 203 230 256 276 294 310 322 330 335
11 150 179 207 234 258 278 296 312 324 332
12 154 183 211 236 260 280 298 314 326
13 158 187 213 238 262 282 300 316
14 162 189 215 240 264 284 302
15 164 191 217 242 266 286

 

表中の数値は単位が万円で、横軸が入院月、縦軸が通院月を表し、入院と通院があれば、それぞれの月数で交差する場所が、慰謝料の金額になります(入院月、通院月と入っているマスは、それぞれが0ヶ月と考えます)。例えば、入院2ヶ月、通院4ヶ月、入院2ヶ月+通院4ヶ月の場合の慰謝料は次の通りです。

入院2ヶ月:101万円

通院4ヶ月:90万円

入院2ヶ月+通院4ヶ月:165万円

ここで、入院2ヶ月+通院4ヶ月が、191万円とならないことに疑問を感じるでしょうか。この点は次の計算式に基づいた結果です。

入院期間の慰謝料+全治療期間の通院慰謝料-入院期間の通院慰謝料

=101万円(入院2ヶ月)+116万円(通院6ヶ月)-52万円(通院2ヶ月)

=165万円

また、算出表は月数で換算しますので、40日といった半端な日数は、日割り計算で求められます。入院日数が40日の慰謝料は次のように計算されます。

40日=1ヶ月+10日

入院1ヶ月の慰謝料=53万円

入院10日の慰謝料=(入院2ヶ月の慰謝料-入院1ヶ月の慰謝料)÷30日×10日

=(101万円-53万円)÷30日×10日

=48万円÷30日×10日

=16万円

入院40日の慰謝料=入院1ヶ月の慰謝料+日割り計算の慰謝料

=53万円+16万円

=69万円

なお、むちうち症で他覚症状(他者が客観的に確認できる症状)がない場合には、専用の算出表を用います。基本の算出表に比べ、7割前後の慰謝料になっています。

・むちうち症で他覚症状がない場合

入院月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
通院月 35 66 92 116 135 152 165 176 186 195 204 211 218 223 228
1 19 52 83 106 128 145 160 171 182 190 199 206 212 219 224 229
2 36 69 97 118 138 153 166 177 186 194 201 207 213 220 225 230
3 53 83 109 128 146 159 172 181 190 196 202 208 214 221 226 231
4 67 95 119 136 152 165 176 185 192 197 203 209 215 222 227 232
5 79 105 127 142 158 169 180 187 193 198 204 210 216 223 228 233
6 89 113 133 148 162 173 182 188 194 199 205 211 217 224 229
7 97 119 139 152 166 175 183 189 195 200 206 212 218 225
8 103 125 143 156 168 176 184 190 196 201 207 213 219
9 109 129 147 158 169 177 185 191 197 202 208 214
10 113 133 149 159 170 178 186 192 198 203 209
11 117 135 150 160 171 178 187 193 199 204
12 119 136 151 161 172 180 188 194 200
13 120 137 152 162 173 181 189 195
14 121 138 153 163 174 182 190
15 122 139 154 164 175 183

 

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