賢く節約!くるまの保険

自動車保険に興味を持った人のための情報サイト

*

目撃者がいない死亡事故

刑事事件で良く言われる、「死人に口なし」という表現があるように、交通事故で被害者が死亡してしまうと、その証言は加害者からしか得ることができません。目撃者がいれば別ですが、事故の一部始終を目撃していることは極めてまれで、証言の信憑性が疑われます。

なぜ目撃者の証言がアテにならないかというと、目の前で車の流れを見ていて事故が起こった場合は別として、誰でも最初に反応するのは、事故時の音だからです。事故が起こらないか注意して道路を見ている人は少なく、ほとんどの目撃者は事故が起こった瞬間を見逃しているのです。

もっとも、一部の証言であっても、加害者が正直に事故の状況を語る可能性と、利害のない第三者の目撃者が嘘をつく可能性を考えると、目撃者が嘘をつく可能性の方が低いでしょう。それでも、疑わしいだけで立証できなければ、加害者の証言を基にして、事故の記録が作られてしまいます。

■被害者の過失は誰が証明する?

目撃証言のない死亡事故において、被害者に過失があるかどうかは、事故の当事者である加害者しか知りません。もっと言えば、被害者本人しかわからないことですが、死亡事故ではそれを確かめることはできません。ところが、当然のように量刑や賠償金額を減らしたい加害者は、被害者に過失がなくても過失があったと証言することは可能です。

被害者の遺族としては、本当にあったかどうかもわからない、被害者の過失を認めることは当然できないでしょう。そこで、加害者と被害者の遺族で争うことになるのですが、被害者の過失はどのように証明するのでしょうか。

自動車損害賠償保障法では、人身事故の加害者に損害賠償責任があるとされています。また、被害者の過失を加害者が証明できなければ、損害賠償責任を免れません。

加害者が被害者の過失を立証できなければ、損害賠償責任は免れないのですから、被害者の遺族は、加害者の自動車によって被害者が死亡したことだけ証明できれば足ります。一般に加害者が被害者の過失を証明するのは困難で、実質的に加害者が全ての損害賠償を負わなくてはならないことになります。

この点、被害者側で立証を必要とする民法上の不法行為とは明確に異なり、自動車損害賠償保障法は被害者救済を目的として制定されています。

■加害者の過失は誰が証明する?

加害者の過失は、捜査機関である警察や検察が証明しなければ、誰でも証明できる人がいません。しかし、警察は加害者の証言も重視しますし、検察は警察からの事故記録を頼りに、起訴できるかどうかを判断していきます。

したがって、実況見分や加害者の事情聴取で、加害者が自らの過失は小さく、被害者の過失が大きいと主張するなら、覆されなければ加害者は本来の刑罰に問われないことになります。これが、加害者天国とも揶揄される交通事故の実態です。

検察官は、証拠によって加害者の過失が立証できなければ、不起訴にするしか方法がないですし、過失が立証できても加害者の過失の一部である可能性も多分にあります。それでも、司法では疑わしいだけで罰することはできないため、加害者の過失は本来の過失分か不当に減ってしまうのを避けられないでしょう。

 - その他

最も特典が魅力的な代理店で契約することをオススメします↓




最も特典が魅力的な代理店で契約することをオススメします↓




  関連記事

no image
国土交通省の無保険車対策

自動車を運転する上で、車検と自賠責保険はセットのようなもので、車検切れになると自 …

no image
過失割合と実況見分調書

交通事故の賠償では、必ずと言って良いほど、過失割合についての争いがあります。過失 …

no image
自動車運転死傷行為処罰法とは?

平成26年5月20日から、自動車運転死傷行為処罰法という新法が施行されました。こ …

no image
不起訴に対する不服申立て

交通事故の加害者が、検察官の不起訴に不服を申し立てることはないでしょうから、不起 …

no image
交通事故と弁護士報酬

交通事故の損害賠償金額は、多いときなら億の単位にまで届くので、裁判をしてでも請求 …

no image
交通事故と民事調停

加害者(または加害者の保険会社)と被害者の示談ができなかった場合、すぐに訴えを提 …

no image
加害者が未成年の場合の刑事処分

加害者が成年の場合、人身事故を起こすと次のような流れで進んでいきます。 ①警察に …

no image
外貌醜状と後遺障害等級

外貌醜状という聞きなれない言葉ですが、これは傷によって外見が醜い状態、要するに見 …

no image
交通事故紛争処理センターの利用

名称でもわかるように、交通事故紛争処理センターは交通事故の紛争を解決するための機 …

no image
人身事故後は逮捕か書類送検

物損事故では民事扱いになるため(故意なら別)、警察は物件事故報告書を作成するのみ …