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損害賠償請求と強制執行

強制執行というのは、国家権力によって財産を差し押さえ、債権者に対して配当することを言います。交通事故の損害賠償請求では、相手方から賠償金が支払われない場合に、裁判所に申し立てて強制執行により回収する手段があります。

強制執行で大切なのは、債務名義と呼ばれる、債権の存在を証明する公文書の存在で、単に損害賠償金を支払ってくれないと裁判所に訴えても、強制執行は行われません。債務名義を手に入れるには、裁判等の手続きを必要とします。

■強制執行を可能にする債務名義とは

債務名義には多くの種類があり、一般に交通事故で債務名義を手に入れるとしたら、次の3つになるでしょう。

・公正証書(強制執行認諾文言付き)

・調停調書

・判決書

公正証書の対象になるのは示談書で、単に公正証書にするのではなく、支払いをしなければ強制執行することを認める、強制執行認諾についての文言を含めなくてはなりません。公正証書は被害者1人では作ることができないので、示談の際に加害者(もしくは代理人)と公証役場で作ります。

調停調書は、民事調停で話し合いに合意があれば裁判所が作成します。調停調書は裁判の確定判決と同じ効力を持つので、判決書と同様に債務名義になります。

判決書は言うまでもなく、支払いを命ずる確定判決を受けていますから債務名義になります。また、判決が確定する前であっても、仮執行宣言付の判決であれば、判決の言い渡しから確定するまでの間でも強制執行が可能です。

■強制執行によっても差押えできない?

債務名義を持っているとしても、強制執行できない残念な状況もあり、そもそも相手方に差押えできる財産が無い場合です。相手が支払わないのではなく支払えないのでは、差し押さえる対象がありません。

いくら裁判所でも、無いものを差し押さえるわけにいかず、執行不能になります。強制執行の申立てもタダではできないので、赤字になってしまいます。したがって、相手に差し押さえるだけの財産(給与も含む)があると確信してから、強制執行を申し立てる必要があるので、この点は気を付けましょう。

もう1つ、差押えされる側の生活を保障する目的で、差押え禁止財産として、給料にも制限があります。給料の4分の3(33万円上限)は差し押さえられず、損害賠償金を支払えないくらいなら当然給料も少ないため、給料の4分の1までとなります。

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