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交通事故と共同不法行為

事故の加害者と被害者が1対1なら、不法行為によって損害賠償請求されるのは加害者です。しかし、事故の加害者が2人以上いれば、加害者それぞれが損害賠償責任を負い、この状態を共同不法行為と呼びます。

共同不法行為の例としては、後続の車にも轢かれてしまった場合、タクシーに客として乗車中の事故で、タクシーと相手の自動車の両方に過失がある場合などです。共同不法行為で損害を受けた被害者は、加害者全てに対し全額を請求できる特徴があります。

共同不法行為の加害者は、過失割合に関係なく個人が全額を賠償する責任を負います。ただし、被害者に支払われるのが加害者の数×損害額になるのではなく、加害者全員で損害額を負担します。

1人の加害者が損害額の全額を支払った場合、被害者は他の加害者に請求することはできず、支払った加害者は残りの加害者に対して、自らの過失割合以上に支払った分を請求することができます。また、共同不法行為には、直接の事故に関係していない、運行供用者(車の所有者や運転者の使用者など)との間でも成り立ちます。

■自賠責保険の扱い

民法上の共同不法行為による請求は、加害者全員で過失割合に応じた賠償ですが、自賠責保険の場合には、それぞれの加害者に対して限度枠があるため、場合によっては賠償額が増えることもあります。

例えば、傷害による賠償額が150万円のとき、加害者が1台なら限度枠の120万円までしか補償されませんが、加害者が2台では150万円で補償を受けられます。後遺障害に対する限度枠も、同様に複数台の分だけ限度枠があるので、自賠責の範囲で考えれば優遇されていると言えます。

■異時共同不法行為とは

共同不法行為は、常に同時であるとは限らず、時間がずれて生じることもあり得ます。例えば、事故の治療が終わらないうちに、再び同じ部位を事故で痛めた場合、異時共同不法行為として、加害者が複数になります。

この場合、自賠責保険の限度枠が複数の加害者それぞれに広がるのは、共同不法行為の場合と同じですが、傷害の治療については、後続事故の加害者に引き継がれます。治療の結果、後遺障害等級が認定されれば、複数の自賠責保険の限度枠を使って、加害者が1台のときよりも多く賠償を受けることになります。

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