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好意同乗と損害賠償

自動車は、日常的な人の運送に利用されるため、運転者以外に同乗者がいることは当たり前にあります。同乗にも、タクシーのように運賃を支払って同乗するのではなく、家族・友人・知人など、好意で乗せてもらう同乗を好意同乗と呼びます。

同乗者がいる状態で事故を起こした場合、同乗者が受けた損害は、加害者(相手の車の運転者または同乗した車の運転者)に対して損害賠償請求することになり、好意同乗であると減額されるケースもあります。

■好意同乗で減額を主張する根拠

ただ乗っていただけで減額されてしまうのは、同乗者としては到底納得できないでしょう。根底にあるのは、「好意で乗せてもらっているのに事故のときは賠償を加害者に押しつける」ことが、信義則に反するという考え方です。

また、自動車は事故が起きれば大きな損害になる危険を含んでおり、その危険に対して保険をかけるのですが、同乗するからには危険を認識していなければなりません。同乗者は加害者ではないとはいえ、危険を認識しながら受けた損害に対して、いくらかの過失はあるという考え方もあります。

もっとも、同乗した車の運転者が、同乗者に対しての損害賠償額を減らそうと画策はしないでしょうから、好意同乗による減額は、お金を払いたくない保険会社の主張です。

■好意同乗で減額される場合

以前は、好意同乗による減額が認められたケースが多く、保険会社は争いになれば無駄だとわかっていても、わざと好意同乗を主張して減額しようとする傾向があります。最近の判例では、乗っているだけで好意同乗による減額はありません。

普通に乗っているだけで、好意同乗による減額があるのではなく、同乗者にも落ち度がなくては好意同乗の過失は問えないでしょう。考えられる理由としては次のようなものです。

・運転者の飲酒を黙認しての同乗や飲酒をすすめた

現在は、飲酒をした本人だけではなく、飲酒を知りながらの同乗や、飲酒をすすめた場合であっても道路交通法違反です。

・無免許と知りながら同乗した

当然のように、無免許運転では事故の危険が高くなり、法律違反でもあることを忘れてはなりません。

・危険乗車(いわゆるハコ乗り)をして事故に遭った

損害が増加するような乗車方法は、自ら損害を大きくしています。

・同乗者の事情でスピードを出した

急いでいるからと頼まれて、運転者がスピードを出してしまうことは良くあります。事情を考慮すると、同乗者の過失が認められても仕方ないでしょう。

・運転者の不注意に責任がある

例えば、運転者が運転に集中できないほど、過剰に話しかけたり、よそ見を誘発させたりするような行為があれば考慮されます。

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