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検察による処分

主に人身事故では、警察から検察へと事件が送られ、検察の判断で起訴するか起訴しないか決まることになります。起訴されて有罪が確定すれば前科なので、事故の加害者としては緊張するところですが、故意や重大な過失など犯罪性が高くなければ、交通事故では起訴されても罰金刑が多くなります。

検察官によって起訴されると、加害者は被告人という立場に置かれます。ほとんどの人にとって、裁判の被告となる経験は少なく、交通事故はその少ない例の1つです。交通事故の場合、この時点でもまだ自覚している人は少ないですが、裁判で裁かれるという立場を重く考えるべきでしょう。

■処分の種類

検察の処分には、大きく分けると起訴か不起訴のどちらかになります。起訴は正式起訴と略式起訴に、不起訴は起訴猶予と嫌疑不十分のどちらかです。不起訴には嫌疑なしという理由もありますが、交通事故では事故直後に当事者から供述を取っているので、人違いは考えにくく、嫌疑なしの可能性は低いでしょう。

起訴:公判請求(正式起訴)、略式命令請求(略式起訴)

不起訴:嫌疑不十分、起訴猶予

・公判請求(正式起訴)

事故の性質によって、検察官が罰金刑以上に相当すると判断すれば、地方裁判所に公判請求します。いわゆる通常の裁判で、検察官と被告人の主張に基づき、裁判官が判決を出します。

・略式命令請求(略式起訴)

交通事故の多くが該当し、被告人が略式裁判に同意すると、簡易裁判所から罰金を支払えという略式命令が出されます。被告人は、期限までに罰金を支払うことで処罰を受けたことになり、そこで刑事上の責任は終了します。

・嫌疑不十分

犯罪の疑いはあっても、被疑者の罪を立証するには不十分で、有罪判決を得られないと判断されれば、検察官は嫌疑不十分として起訴しません。例えば、事故の双方の主張が全く異なり、主張を裏付ける証拠も足りないときなどです。

・起訴猶予

検察官が有罪を立証できるとしても、事故の現状を鑑みて、不起訴が妥当であると判断するのが起訴猶予です。加害者が十分に反省しており、被害者との示談が進んでいるなど、事故に対して誠実に対応していれば、起訴猶予になる可能性が高いとされています。

■略式命令は正式裁判と同じ

検察庁に呼び出され、検察官に事情聴取されて罰金を支払うという、大よそ一般に考えられる裁判とは、略式命令は全く違う手続きになります。そのため、裁判を受けたという自覚もなく、正式裁判にならなかったという安心感からも、交通違反で反則金を支払うような軽い考えを持つ人も多いでしょう。

しかし、略式命令を甘く考えてはならず、略式命令が確定すると、正式裁判での判決が確定したのと同じ扱いになります。ですから、略式命令で罰金を支払うということは、交通違反のような反則金を支払うに過ぎない処分と異なり、罪を犯して裁判で罰金刑を受けたという自覚が必要です。

■略式命令への不服申立て

略式起訴は、被疑者の同意があって略式命令を裁判所に請求する手続きですが、それでも被告人は、14日以内に通常の裁判に替えることを請求できます。略式裁判の内容に不服があれば、加害者である被告人は、通常の裁判をして罪状について争えるわけです。14日以内に通常の裁判を請求しない、請求しても取り下げる、請求したが棄却されて確定した場合は、いずれでも略式命令が確定します。

では、被害者側が加害者に出された略式命令に、不服がある場合はどうするのでしょうか。

事故時の供述調書で、「寛大」「法律に従った」「厳罰」という加害者に対する処罰の要望が聞かれます。しかし、厳罰を希望したから処罰が重くなることはないですし、あくまでも検察官が相当とする処罰で起訴します。

略式命令が出て加害者が罰金を支払ってしまえば、略式命令は確定するので覆すことは容易ではありません。一事不再理といって、確定した判決を同じ内容で再度審理することが許されないのです。

したがって、被害者はそもそも略式命令が出される前、つまり検察官が略式起訴と判断する前に、上申書などで被害者の想いを伝える必要があります。略式命令に不服を申し立てるのではなく、略式命令にならないようにする目的で行われます。

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