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加害者が未成年の場合の損害賠償

交通事故では、加害者・被害者の双方が、自分の受けた損害について相手に賠償しなくてはなりません。過失相殺によって、加害者側の賠償責任が残り、その賠償額も小さくなるとはいえ、賠償責任が発生することに違いはありません。

ここで、加害者が未成年であるときの損害賠償を考えると、成年と違い多くの未成年は資力がありません。もちろん、事故を起こした未成年が免許を保有しており、運転していた車両が家族の車で任意保険に加入しているなら、年齢条件や運転者限定特約によって、未成年が補償対象外ではない限り問題はないでしょう。

■未成年の不法行為責任

民法では、他人に損害を加えた場合でも、「自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかった」ことを要件として、未成年の損害賠償責任を免除しています。では、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えているとはどういうことでしょう?

弁識とは理解し判断できるという意味なので、他人に損害を加えた行為について、自ら判断能力を持ち、その知能を兼ね備えていれば、未成年であっても損害賠償責任は発生します。車両の運転者の場合、小学生や中学生ということは考えにくく、未成年とはいっても運転免許を取得し(もしくは無免許であっても)、危険性については十分理解していると判断されます。

そのため、未成年であっても不法行為責任を免れるものではなく、損害賠償責任も負わなくてはならないのですが、未成年では損害賠償が実効性を伴わない点が問題になります。

■未成年以外が損害賠償する場合

未成年の事故では、車両が自己の所有であることは少なく、その場合は、車両の所有者や管理者も運行供用者として損害賠償責任を負います。また、未成年が就労者で業務中の事故なら、その使用者も損害賠償責任を負います。

これらの運行供用者や使用者だけではなく、未成年が損害賠償できるほどの資力を持たないときは、親が賠償していくのは良くあることです。親は未成年を監督する義務を負いますので、子供の起こした事故に対して、監督義務を果たせなかったとして損害する理屈です。

しかし、民法上での監督義務者の損害賠償責任は、未成年が責任無能力者(前述の不法行為責任を問われない者)である場合に限ります。そのため、事故を起こした未成年が、不法行為責任を免れない場合は、親に管理義務者としての損害賠償責任はありません。

だからといって、未成年の子供に自分で責任を取るように言っても、実際には賠償できないので、結局は多くの親が被害者に対して賠償することになるのでしょう。

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