自動車保険には種類がある
自動車保険には、強制加入の自賠責保険と、任意加入の任意保険という2つの種類があり、任意保険は主に7つの保険(対人賠償責任保険、対物賠償責任保険、人身傷害補償保険、搭乗者傷害保険、自損事故保険、無保険車傷害保険、車両保険)から構成されています。そして任意保険は、パッケージ化(セット売り)されているのが基本です。
以前までの任意保険は、各社が同じ保険商品を取り扱い、名前も次のように決まっていました。自動車保険は今のように自由化されておらず、保険会社は保険内容で勝負することができなかったのです。
・SAP(自家用自動車総合保険)
・PAP(自動車総合保険)
・BAP(一般自動車保険)
・ドライバー保険(正式には自動車運転者損害賠償責任保険)
1998年に保険が自由化されたことで、4つのパッケージにとらわれず、保険会社が自由に商品を販売できるようになりました。現在では主流な保険になっている、人身傷害補償保険が開発されたのも自由化以降です。
自由化以降、パッケージ名称も各社が独自に決めて販売されていますが、現在でも以前の名称を使っている保険会社もあるので、SAP、PAP、BAPについて説明します。なお、自由化以前であるため、人身傷害補償保険は含めていません。
SAP(自家用自動車総合保険)
対人賠償責任保険、対物賠償責任保険、搭乗者傷害保険、自損事故保険、無保険車傷害保険、車両保険の6つをセットにしたパッケージです。SAPの特徴は、示談交渉を対人賠償・対物賠償の両方で行う事と、対象車種が自家用の普通乗用車、小型乗用車、軽四輪乗用車、小型貨物車、軽四輪貨物車の5車種に限られている点です。
最も補償範囲が広いので保険料も高くなり、自家用であっても、バイクやキャンピングカーを対象にしていません。示談交渉したくない人や、車両保険が必要な人に向いています。
PAP(自動車総合保険)
SAPから車両保険を除き、対人賠償責任保険、対物賠償責任保険、搭乗者傷害保険、自損事故保険、無保険車傷害保険をセットにしています。SAPと異なり示談交渉が対人賠償に限られ、営業者も含め全ての車種が対象です。
PAPは示談交渉の点でSAPに劣りますが、対象車種が広く、保険料が高くなる車両保険が任意加入になることから、保険料を安くしたい人、車両保険が不要な人に利用されました。
BAP(一般自動車保険)
SAPやPAPのようなパッケージではなく、個別の保険を選んで加入できるようにしています。ただし、対人賠償責任保険への加入が基本契約になっており、それ以外の保険を任意で付け外しできるようになっています。
対人賠償責任保険以外に、最低限の保険内容で済ませたければBAPになりますが、BAPには示談交渉が無く、他の保険を付けると割高になってしまう事から、あえてBAPを選ぶ人は少なかったようです。
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