人に対する割引
人に対する割引の「人」とは記名被保険者の事で、自動車保険は記名被保険者を中心に補償内容や割引率が決められます。家族で複数の人が運転できる場合には、記名被保険者を誰にするかで保険料も変わるので、十分に検討しましょう。
■人に対する割引の種類
・ゴールド免許割引
正式名称は「優良運転者免許証」で、運転免許証の有効期限欄がゴールドの下地になっていることから、通称でゴールド免許と呼ばれます。ゴールド免許保持者は、発行時の過去5年間において交通違反の取り締まりを受けていないことの証明であるため、リスクの低い運転者として各保険会社が割引の対象にしています。
・年齢割引
記名被保険者年齢別料率という、保険会社が定めた保険料率が自動的に適用されるので、割引制度として選択できませんが、運転者の年齢条件とは別に、細かく年齢によって保険料率が変わります。具体的には、運転者年齢条件が26歳以上補償の場合に、30歳未満から70歳以上までを6つの区分(各世代に対応)に分けています。
・等級制度
等級制度は事故歴(保険使用歴)と結びついており、事故を起こせば下がり、無事故なら上がるという単純な仕組みです。ただし、等級は引き継ぐことができるので、一身専属(その人に固有のもの)としては扱われていません。無事故を積み重ねて高い等級を持つ人が、等級を家族に引き継ぐと、引き継がれた家族が高い等級で保険に加入できます。
・長期優良割引
等級が高い優良ドライバーであれば、それだけ保険会社にとっては、保険金の支払いリスクが小さい顧客ということです。等級制度は無事故以外の方法では上がらないので、ごまかしが効かない指標であることから、一定の条件を満たした場合に割引されます。適用条件は保険会社で若干異なり、前契約の等級が20等級、前契約で等級ダウン事故が無い(事故有係数適用期間が0年)、年齢条件が26歳以上補償などです。
■記名被保険者の原則
記名被保険者は、契約車両を主に使用する人という原則があって、加入者側が家族の中から無条件に選ぶようなものではないとされています。しかし、保険会社は記名被保険者が契約車両を主に使用しているかどうかなど把握せず、その調査も行っていません。
そこで、誰でも考えるのは、最も割引が高くなる家族を記名被保険者にするという案です。その是非はともかく、加入者のメリットは保険会社のデメリットになり、表裏一体であることからしても、発覚すれば保険会社は良い顔をしないでしょう。
ただし、ほとんどの保険会社で、記名被保険者が主に使用(運転)することを、保険契約の絶対条件にしてはいません。車を所有または自由に使用している、実効上の支配者から1人を選んでも問題ないのが通常です。記名被保険者になり得る人の範囲は、約款等で確認してみましょう。
「主に運転する人」と「車を支配している人」のいずれも許され、その優劣もない場合は、主に運転しないが車を支配している所有者も、記名被保険者になることが可能です。したがって、親の車を子供が主に運転する場合でも、車の支配者である親が、記名被保険者になることに障害は無いということになります。
記名被保険者の定義は保険会社で異なるので、必ず約款で確認しましょう。Webサイトと約款で定義が異なる場合もあります。
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