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自己破産と損害賠償金

交通事故の賠償金は金額も大きくなり、加害者が任意保険に加入していない、または保険金額が小さすぎて賠償しきれない場合には、自己破産もあり得ます。また被害者であっても、損害賠償金を受け取れるとはいえ、事情によっては自己破産もあり得るでしょう。

加害者でも被害者でも、賠償金の支払い(受け取り)は、自己破産をすると債務または財産として免責または分配の対象になります。

損害賠償金を支払う場合:債務として免責の対象

損害賠償金を受け取る場合:財産として分配の対象

自己破産で免責される債務や、分配される財産には制限があり、自己破産をしたからといって、全ての支払うべき損害賠償金が免責されたり、全ての受け取るべき損害賠償金が分配されたりするわけではありません。

■加害者が自己破産した場合

加害者が支払うべき損害賠償金は、故意や重過失による交通事故でなければ、免責対象になります。故意はともかく、重過失をどこまでと判断するかが問題です。

自動車事故での重過失とは、飲酒などで危険運転致死傷罪が適用されるほど、運転者の過失が大きければ、重過失に該当するという見方もできます。逆に考えると、死亡事故であっても、重過失に該当しない交通事故については、損害賠償金が自己破産で免責されてしまうということです。これは、被害者にとって非常に重大で、未払いの損害賠償金があると、受け取れない可能性が高くなります。

■被害者が自己破産した場合

自己破産をするということは、交通事故で受け取った損害賠償金よりも、借金などの債務が多い状態です。または、損害賠償金の方が多いのに、まだ受け取れておらず、借金だけが残っている状態でしょう。

自己破産には非免責債権という、分配される財産に組み込まれない債権もあり、例えば公課租税や、最低限の生活に必要な金品、養育費などが該当します。交通事故による損害賠償金の場合、入通院費などの治療費・介護料などは医療機関に支払われるお金で、被害者本人の財産にはならないので受け取ることができます。

見解が分かれるのは、休業損害や逸失利益で、休業損害は交通事故がなければ受け取っていた収入になるので、全額を非免責債権にすることは難しいでしょう。逸失利益は、将来受け取る予定であったお金なので、建前論で言えば自己破産時の財産ではありません。

しかしながら、自己破産をして他の債務が免責されて、多額の逸失利益を受け取るのは、債権者に対して不公平だとする考えもあり、個別の事例で判断されるようです。もっとも、交通事故の重い後遺障害で就労ができず、逸失利益の損害賠償金に頼るしかないケースでは、将来の生活保障を奪い去ることになりかねないため、配慮があると考えられます。

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